ご神徳
豊玉姫命が御子育児のため、両乳房をくっつけて行かれたと伝えられる「おちちいわ」は安産、育児を願う人々の信仰の拠り所である。おちちいわより滴り落ちる水でつくった「おちちあめ」などもある。
このほか、念流、陰流の剣法発祥の霊地(※)として、また漁業、航海の守護神としての信仰も篤く、様々なおまもりがある。
また、本殿前磯にある「霊石亀石」の穴の中に運玉を投げ入れ見事入ると願いが叶うといわれる。
※剣法発祥の霊地・・・足利時代に剣法の達人と謳われた相馬四郎義元(慈音)が「念流」を愛州移香が「陰流」を当神宮に於いて御神示を受け、創始した事による。
風習
「シャンシャン馬」
宮崎の風物詩「シャンシャン馬」の風習は、江戸時代の中期から明治の終わり頃まで行われていた。
鵜戸さん詣りは、七浦七峠と呼ばれる険しくつらい路を、花嫁を馬にのせ、花婿が手綱をとって、鵜戸神宮へ向かい、宮詣りをして家路につくという旅であった。
現在は、この風習はなくなりましたが、毎年「シャンシャン馬道中鵜戸詣り」を再現する行事や、民謡大会などが行われるなど観光行事として行われている。
「シャンシャン」とは馬の首にかけられた鈴がなる音を表しているといわれている。

参りゃとにかく帰りの節は つけておくれよ青島へ
鵜戸さん良いとこ一度はおいで 一目千里の灘がある
行こか参ろか七坂越えて 鵜戸神社は結び神
鵜戸さん参りに結うたる髪も 馬にゆられてみだれ髪
音に名高い背平の峠 坂は七坂七曲り
「おちちあめ」
御本殿のある岩窟にある「おちちいわ」は豊玉姫が乳房をひききり岩にくっつけていかれたとされる伝説の岩で、滴り落ちる清水で作る「おちちあめ」を母乳がわりにして、御主祭神は育ったといわれている。